こんにちは、修繕の寅さんの富川です。
今回ご紹介しますのは、一部薄型化粧スレートが台風の影響で飛散し、ご依頼を頂いた屋根になります。施工方法としまして薄型化粧スレートの上に、ガルバリウム鋼板(太平産業:カレッセ)を重ね葺き(カバー工法)しました。
屋根カバー施工手順
施工前、屋根の状態
三階建てのため、ドローンを使用して屋根を撮影しました。薄型化粧スレートが自然災害により飛散していました。経年劣化により黒カビも発生している状態でした。
屋根カバー工法施工手順
①既存棟板金及び木下地撤去
棟板金、板金下地の貫板を撤去し、屋根全体を平らな状態にします。
②軒先板金取付
軒先メタル(ゼロタイプ)を軒先部分に取り付けます。
今回樋交換は無いため、軒の出も変わらないためゼロタイプを使用しました。例えば、軒の出を変更すると、屋根を流れる水がうまく樋に入らない可能性があります。このような事にならない様に入念な打ち合わせのうえ、資材の選定も重要なポイントになります。
③防水シート張り
防水紙(ライナールーフィング)を、エアー釘打ち機を使い板金片を防水紙の上に釘で留めます。重ね葺きの場合は、下地が薄型化粧スレートで硬いため、通常の下葺きのようにハンマータッカーが使えませんので、写真のように施工します。
④ケラバ板金カバー
既存のケラバ板金に、カレッセ本体と色合わせしたケラバ板金カバーを取り付けます。
⑤本体の施工
カレッセ本体の継ぎ手には、カレッセ独自の特許【ハイドロブロックシステム】ジョイント(S)を使用して、水がカレッセの継ぎ手から中に入ったとしても、【ハイドロブロックシステム】により外に水が排出されます。
カレッセ本体を葺きます。カレッセ本体1枚につき、エアー釘打ち機を使用して6本釘留めします。
⑥ケラバメタル取付
軒先方向からの風によるあおりを防ぐために、ケラバメタルの前面(写真の丸部分)にもビスを留め付けます。
⑦棟メタル取付
棟芯より屋根勾配に対応した寸法で墨を打ち、木下地を取り付けていきます。(30×40木下地)次に木下地に沿って棟用シーラー15×30を貼り付けます。
棟メタル本体を取り付けます。ジョイント部分にコーキング処理し、次の棟メタル本体を必ず50mm以上は重ねて取り付けていきます。棟メタル本体は300mmピッチで釘打ちします。
⑧下屋根各部納まり
壁の取り合い部分に段捨て水切板金を取り付けます。万が一基材の中に水が入った場合、軒先へ排水します。カレッセ本体を葺いた後に、壁際に板金木下地を打ち、続いてシーラーを貼り付けます。雨押え、雨押えカバー、棟メタル、各板金を取り付け、最後に雨押えカバー上にシール処理を施します。
屋根施工完了
上記写真のように綺麗に仕上がりました。
工事費用・概要
・地域:大阪市東淀川区
・内容:3階建て、切妻屋根面積60㎡、カレッセ重ね葺き
・費用:約75万円 ※足場設置・解体費用は含まず
まとめ・お問合せ
建物が築15年以上で、リフォーム工事歴もございませんでした。また、薄型化粧スレートが葺かれているので、こちらにはアスベストが含まれている可能性がありました。現在ではアスベストの処分費が上がる傾向にありますので、葺き替え工事をおすすめしておりますが、工事費や工事期間を軽減する事を考えると、今回は重ね葺きをご提案させて頂きました。このように様々なケースを考慮してご提案をさせて頂きます。また、ちょっとした補修工事なども、お気軽にご相談、お問い合わせください。直ちに駆けつけ調査、御見積りをさせて頂きます。
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富川徳次
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