皆様、いつも大変お世話になっております。修繕の寅さんの富川と申します。
塩焼き瓦から、釉薬和瓦(淡路産53A判シルバー色)への葺き替え工事で、土葺き工法から自然災害(台風・地震)に強いガイドライン工法へと変更致しました。
塩焼き瓦とは!?
瓦を窯で焼成する時に塩を入れて(化学変化をおこし)赤色に発色させ作った瓦を、塩焼き瓦といいます。関西では明石の塩焼き瓦が有名ですが、今では生産を行っておらず手に入らない瓦となります。築30年以上経っていて赤褐色の瓦があれば塩焼き瓦の可能性大です。
葺き替え工事
めくり作業、野地板張り
今回の屋根工事物件はお施主様が大工さんでしたので、瓦めくり作業から野地板張替え作業を、ご自身で施工されました。さすが本職!杉のバラ板を綺麗に張り詰めされました。
下葺き作業
改質アスファルトルーフィング(NEWライナールーフィング)を下葺きしました。リフォーム現場では耐久性・防水性に、優れた下葺材として、比較的高価なライナールーフィングを使用しています。
軒先部分の屋根に板金を取り付け
軒先部分は屋根勾配が緩いため板金で納めます。一昔前は銅板を使用していましたが、現在は酸性雨により穴が開きやすく、雨漏りの原因になるため、ガルバリウム鋼板を使用しました。
軒部|万十軒瓦葺き
軒先部に万十瓦(淡路産53A判シルバー色)を葺きます。ガイドライン工法では軒瓦に釘2本と桟山部分にパッキン付きビス1本で留め付け(合計3本留め)します。
平部|桟瓦葺き
平部は桟瓦(淡路産53A判シルバー色)を瓦桟木に瓦の裏に付いている爪を引っ掛けて釘1本で全ての桟瓦を留め付けていきます。
※長屋物件での、お隣様の境界部分の仕舞い
お隣様との境界部分(取り合い部)は葺き替えによって屋根材が変わったり、瓦のサイズが変わったりするので、隙間が生じ雨漏れがしやすい箇所となります。
L型捨て板金を瓦の下に仕込み、瓦の隙間から侵入した雨水をL型捨て板金で受けて軒樋まで流す道を作ります。
桟瓦をL型捨て板金のところまで葺いて、桟瓦とお隣の桟瓦との隙間を紐丸で伏せます。これで雨漏れの心配は無くなります。
棟部|のし瓦積み、棟瓦伏せ
強力棟金具の取り付け
強力棟金具を垂木筋に沿ってビスで取り付けます。金具の上部には木(芯木)を取り付けれるようにコの字型となっています。この芯木にのし瓦を緊結して、棟瓦をビス留めすることで屋根構造と一体となり、自然災害(台風や地震)に強い棟を作ることができます。
のし瓦積み
のし瓦を積みます(今回は5段積み)。一枚づつ全てののし瓦を銅線で緊結していきます。のし瓦は目地が揃わないように半分ずらして千鳥に積んでいきます。また雨水が棟の外に流れるようにしっかりとのし瓦に勾配(傾斜)を付けることが大事です。
棟瓦伏せ
和瓦の棟瓦には様々な形状の瓦があります。今回は紐丸という一般的に使用されている棟瓦を使用しています。棟の頂部にのし瓦の隙間を埋めるように紐丸を伏せ、パッキン付きビスで棟の中に仕込んだ芯木に留めて施工完了となります。
和瓦屋根の雨漏りでお困りのお施主様
今回、和瓦の葺き替え工事について、お伝えしました。予算に応じて棟の積み替えや、桟瓦の割れの差し替え等の補修工事も対応させて頂きます。雨漏りでお困りの方は是非ご相談下さい。ご相談内容に応じて、お客様に寄り添いながら、ご提案をさせて頂きます。
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富川徳次
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