こんにちは!修繕の寅さんの南 力也です。
早速ですが、近年災害などが起こった際に必ずといってニュースになっているのが、瓦屋根の瓦が「めくれている」「ズレている」「土がのっているから重くて屋根に負担がかかっている」など様々な声が飛び交う中で、今回は土葺きの瓦屋根から桟葺きの瓦屋根に葺き直した工事事例を紹介していこうと思いますが、その前に土葺きと桟葺きについて見ていきましょう。
・瓦屋根の土葺き工法とは!?
土葺きとは古くから伝わる工法で、昔の木造住宅などで葺かれている工法になります。
葺き土といわれる土を屋根下地の上に敷き詰めて、その上から瓦を葺いていきます。その際に近年使用されている釘やビスなどでの固定ではなく、土と瓦が接着し重さで強い風が吹いても強度を保ってきていたのです。しかし年数が経ち劣化した土の接着もなくなり、強い風を受けると瓦のみがズレて飛ぶ事もあり、近年では屋根の軽量化が進んでいることもあって、土葺きで葺かれている屋根はほとんどなくなりました。
・瓦屋根の桟葺き工法とは!?
近年施工されている瓦屋根の多くの工法が桟葺き工法になります。引掛桟工法とも言います。
由来の通り屋根下地に桟木と言われる木材を取り付け、瓦を桟に引っ掛けて葺いていきます。
屋根の重さは葺き土を使用する土葺きに比べると、桟葺きは葺き土を使用しない分軽く、瓦本体は釘やビスで固定していきます。
土葺きの瓦屋根のめくり
屋根概要
・和瓦 (釉薬瓦 オレンジ) ・土葺き
・半寄棟屋根(70㎡程度) ・桟葺き工法に葺き替え
瓦と土をめくるのですが、今回の工事では既存瓦は撤去せずに桟葺きでも既存瓦を使用するので、その中でも瓦の傷みが多い瓦は処分することにしました。
屋根下地の形成・ルーフィング
・屋根下地の形成
下地には野地合板12㎜厚を使用しています。千鳥貼りといって、目地を半分ずらして並べていきます。
※野地下地が千鳥貼りのメリット
野地合板を千鳥に配置することにより、水平剛性の低下を防いでくれます。
千鳥張り以外で芋張りといって野地合板の目地が揃うように並べていく方法もありますが、芋張りより千鳥張りの方が水平構面としての性能、たわみ性能が高くなります。
屋根の野地下地には千鳥張りが最適と言えるでしょう。
ルーフィングはTAJIMA(メーカー)のPカラーEX(改質アスファルトルーフィング)を使用しています。基本性能はもちろんですが、コストパフォーマンスも良い防水紙になります。
※改質アスファルトの特徴
高温でダレにくく、低温でも割れにくいといった、広い温度範囲で優れた特性を持つほか、弾性を持ち、釘穴に対するシール性能や耐久性能に優れている特徴があります。
屋根桟木打ち・瓦荷揚げ
今回の本題である桟葺きですが、桟木がズレたり、桟木の留め付けの抜けが無いように施工していき、葺いていくために瓦を取りやすくズレ落ちないように並べていきます。
屋根葺き工事
桟葺きは瓦の裏側のツメ部分を桟木に引っ掛けて葺いていきます。
・軒先瓦3点留め
2点は瓦に釘留めし、1点はビスで留め付ける。
・地瓦1点留め
・地瓦葺き
既存瓦と新しい瓦を入れながら、棟際の瓦がズレてこないようにシルガード(南蛮漆喰)を棟部に敷き詰めて銅線等でも固定しながら葺いていきます。
・シルガード(南蛮漆喰)とは
防水材(シリコン)を含む防水性と耐久性の強度が高い漆喰材のことです。
・棟積み
熨斗瓦を積む際にもシルガード(南蛮漆喰)を使用し、熨斗瓦同士は銅線で緊結していきます。
屋根工事完了
まとめ・お問い合わせ
今回のように瓦屋根の土葺き工法から桟葺き工法へ葺き替えを行いましたが、軽量化だけではなく、釘、ビス、シルガードなどといった材で固定をし耐震性、耐久性も兼ね備えています。
そして今回は既存瓦を使用していますが、瓦自体の劣化が激しいと基本的には既存瓦は使用しないで、新しい瓦に葺き替えをしています。
修繕の寅さんではしっかりとした屋根の調査を行い、お客様のニーズにあった提案、企画、施工を行っていきます。
「屋根を一度見てほしい」「屋根が気になる」という方はぜひ修繕の寅さんにお任せください!!
こちらからもお問い合わせできます!!
スマホの方はコチラからLINEで相談可能です↓
メールでお問い合わせはコチラからどうぞ↓
https://www.shuzen-torasan.jp/blog/contact/
最新記事 by 南力也 (全て見る)
- 【屋根葺き替え工事】いぶし和瓦からROOGA雅に葺き替え|堺市東区 - 2024年2月28日
- セキスイかわらUから平板瓦へ|適切な屋根の葺き替え工事事例 - 2023年11月7日
- 【重ね葺きカバー工法】カラーベスト屋根に、アスファルトシングルでカバーしました。|奈良県北葛城郡 - 2023年10月30日