『ガルバリウム鋼板屋根の経年劣化事例と寿命を伸ばすためのメンテナンス』
ガルバリウム鋼板屋根は近年非常に人気が高まっている屋根のひとつです。
理由は主に耐久性の高さやそれゆえのメンテナンスのしやすさ、価格とのバランスの良さなどが挙げられます。
とはいえガルバリウム鋼板屋根もメンテナンスが不要なわけではありません。
耐久性は高いものの経年劣化も発生します。
この記事では、ガルバリウム鋼板屋根の経年劣化やメンテナンスについて紹介します。
ガルバリウム鋼板屋根の特徴
ガルバリウム鋼板とは表面にアルミニウム・亜鉛・シリコンのメッキを施した薄い鉄板の屋根材です。
最大の特徴は耐久性の高さで、雨漏りや地震被害のリスクが低く扱いやすい屋根材と言えます。
またデザインのバリエーションも比較的豊富で、基本的に使用する屋根の形状も問いません。
軽量であることから、近年人気のある屋根のリフォーム工事カバー工法も行うことができます。
ガルバリウム鋼板屋根の特徴については、以下の記事でメリットだけでなくデメリットにも触れて詳しく紹介しています。
ガルバリウム鋼板屋根の経年劣化
耐久性が高くても経年劣化は発生する
ガルバリウム鋼板屋根は耐用年数が25~40年程あり、金属屋根のわりに錆びも発生しづらいです。
しかし経年劣化がまったく発生しないわけではなく施工から10年程度で徐々に劣化し始めます。
(寿命が来る前に徐々に劣化が始まる点はいずれの屋根材も共通です。)
経年劣化の事例
具体的には、色褪せやチョーキング、コケ、錆びの発生などが挙げられます。
色褪せ・チョーキング
ガルバリウム鋼板表面の塗膜が剥げてくると色褪せやチョーキングが発生します。
チョーキングとは、塗料に含まれている顔料が紫外線や熱、雨風などにより劣化しチョークのような粉が出てきてしまう現象です。
手で表面を触ると白い粉が付着するようになります。
コケ・錆び
コケや錆びは、日当たりが悪い場合や勾配(傾斜)が緩やかな場合に発生リスクが高いです。
日当たりが悪いと湿気がこもりやすく、勾配が緩やかだと水捌けが悪いためです。
ガルバリウム鋼板は錆びづらいとはいえ、条件が悪い場合や長期にわたってメンテナンスがされていない場合は錆びてしまう可能性も十分にあります。
特に端部・曲げ加工部・傷部分は錆びの発生しやすい場所です。
ガルバリウム鋼板屋根のメンテナンス
劣化を予防するためのメンテナンス
定期点検
すべての屋根に共通していることですが、経年劣化の発生有無に関わらず定期点検は行った方が良いです。
適切な頻度は使用している屋根材やお住まいの地域特性によっても変動します。
ガルバリウム鋼板屋根の場合は、基本的に10年に1回程度の実施が望ましいです。
定期的な掃除
屋根を水で流すだけでも、軽度な汚れや落ち葉などのゴミは落とすことができます。
埃や鳥の糞、塩分の付着はガルバリウム鋼板の錆びを進行させるため、1年に1回は専門業者に依頼して掃除してもらうと良いでしょう。
屋根材の寿命が伸びるだけでなく、美観も維持することができます。
状態を改善するためのメンテナンス
再塗装
ガルバリウム鋼板に上述の経年劣化が発生してしまった場合は、塗装し直すことをおすすめします。
表面の塗膜やメッキ層が劣化している可能性が高いためです。
ただし状態(経年劣化の進行度合い)によっては塗装では解決しない可能性もあります。塗装は基材の保護はできても防水性を確保するものではありません。
専門業者に状態を確認してもらい、適切な工事を相談しましょう。
リフォーム(カバー工法・葺き替え)
例えばガルバリウム鋼板に錆びが広がっている場合や雨漏りが発生している場合など、劣化が深刻な場合は表面を塗装し直しただけでは問題解決になりません。
その場合はリフォーム工事が必要となります。
リフォーム工事には主にカバー工法と葺き替えがあり、カバー工法を行える点はガルバリウム鋼板屋根のメリットのひとつでもあるため費用を抑えたい場合はカバー工法を選択することもおすすめです。
ただしカバー工法を行うには下地部分(野地板)が劣化していないことが条件となります。
下地部分が劣化している場合は葺き替えの必要があるため、専門業者に状態を確認してもらったうえで最適な工事方法を検討してください。
まとめ
ガルバリウム鋼板屋根の耐用年数は25~40年程度と言われています。
耐用年数も費用も、瓦屋根とスレート屋根の間です。
スレート屋根より耐久性が高く瓦屋根より安価、バランスの良い屋根材と言えるでしょう。
定期的なメンテナンスを行うことで、寿命を最大限伸ばして住宅と長く付き合っていただければ幸いです。
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