こんにちは。工場スレート屋根葺き替え現場のご近隣あいさつ巡りをしてきました「伝統を守る老舗瓦屋4代目」の渡邊です。
その物件は私の中高の同級生の持ち物でして、私のFacebook投稿から屋根屋を営んでいることを知ってもらい、以後いろいろと相談を受けています^^
大波スレートとは?
大波スレートとは、工場や倉庫、ガレージの屋根にのっている波型の屋根材です。
セメントと骨材をプレスして成型した屋根材です。1枚が大きく強度が強い反面、意匠性が低いこともあり、工場や倉庫、ガレージなどの鉄骨造で使用されることが多いです。鉄骨にそのまま留めつけることが出来るために野地板が不要なことが特徴です。
大波スレートの耐用年数は?
30年経過で葺き替え検討を始めて下さい。
大波スレートは30年経過すると基材が経年により非常に弱くなってきます。
すると、台風でモノが飛んで来て割れたり、建物自体の揺れで縦割れ(裂け)したりします。工場や倉庫では屋根の下に、商品や機械が置かれているので雨漏れすると大きな被害が出てしまいます。
ガレージの場合は実際にスレートが雨漏れがしてから修繕を検討したり、割れたスレートの交換で延命し、ギリギリまで利用することもしばしばあります。
大波スレートの施工にはどのような方法があるの?
大波スレートの施工方法 その1『カバー工法』
大波スレートの施工方法にカバー工法というものがあります。
カバー工法とは既存のスレートをめくらずにその上から新しい屋根材(スレートもしくは金属)を張る工法です。既存のスレートをめくらないので、工場業務を続けながら工事が可能です。
また、既存のスレートをめくる人件費や処分費が発生しない為、安価に行うことができ、工期が短く済みます。 しかし、既存屋根材の上に新しい屋根材が乗るので荷重が増えてしまいます。
もう一つ重要なことは、いずれ発生する処分費を先送りにするということです。実は、約10年以上前のスレートには強度補強の為にアスベストが含有しています。アスベストは肺の病気を患う有害物質なため、特別な施設でお金を払って処分する必要があります。先送りにすることでこの処分費が高くなってしまう可能性が高いということです。
大波スレートの施工方法 その2『葺き替え工法』
カバー工法とは異なる大波スレートの施工方法は葺き替え工法になります。
今回弊社へのご依頼はこの葺き替え工法で行いました。やはりアスベスト処理を先送りにするリスクを考えて、早めに処分してしまおうとなりました。
葺き替え工法とは既存のスレートをめくり、処分し、新しいスレート(ノンアスベスト)を張る工法です。この場合、工事中は屋根が無くなってしまう為、場合によっては工場業務を止めて頂く必要があります。
この物件は一部のテナントを除いて、天井が張ってあるのでまだマシですが、それでも天気との駆け引きが重要となります。なので、晴れの日をめがけて荷揚げ荷卸しのレッカー車を入れて、人をいっぱい入れてめくったところを1日のうちに伏せていくという作業が必要となります。
『葺き替え工法』は多くの人の協力があってこそ
大波スレートの『葺き替え工法』は先述したように屋根が無くなってしまいます。着工するにあたっては多くの方々の協力があってはじめて工事が実現可能となりました。
初回の打ち合わせから色々と問題が発覚してきましたが、足場屋さん・職人さん・レッカー屋さんと綿密に何度も打ち合わせを行い、そして施主様、テナント様にも車の移動や業務の一時停止などの多大なご協力を頂きました。
本日ごあいさつに伺ったご近隣さん(特に運送屋さんと目の前の大きな製造業さん)には本当にありがたいご理解を頂戴しました。
工事中は現場トラブルが発生しないように、抜け目なく現場管理を徹底いたします。
渡邊智仁
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