こんにちは!修繕の寅さんの南 力也です。
2022年4月から石綿(アスベスト)レベル3の調査報告が義務化されました。今回はカラーベスト(レベル3建材)の解体工事(めくり処分)を実施しましたので、一体どんな作業方法で行ったのかご紹介していこうと思います。
※石綿(アスベスト)はレベル1からレベル3に分類されており、屋根材(石綿含有成形板)はレベル3にあたります。
<石綿(アスベスト)に関して詳しく説明している記事がこちらになります。>
「石綿(アスベスト)が入った屋根材の葺き替え検討時に知っておいた方がいいこと」
まずはじめに石綿(アスベスト)の調査報告
事前調査で石綿(アスベスト)が含まれる屋根材と判断できたので、石綿事前調査結果報告システムから行政に報告をしました。石綿(アスベスト)が含有している建材を撤去する場合、報告を出していないと法律違反となります。
但し、石綿(アスベスト)が入っている場合だけ報告するのではなく、石綿(アスベスト)が入っていない場合でも入っていないことを報告する必要があります。入っていないことの証明をする方が大変です。
明かに石綿(アスベスト)が入っていない原材料で構成している屋根材の場合や、塗装や重ね葺き(カバー工法)の場合は報告不要となりますが事前調査自体は必要なようです。
作業場の準備|石綿(アスベスト)対策として全方向に防塵・防炎シートを使用
屋根工事を行う際に仮設足場を設置するのですが、一般的な屋根工事の足場ではメッシュシートで大丈夫ですが、石綿(アスベスト)含有屋根材を撤去(めくり)する際は飛散がないように、作業範囲を防塵・防炎シートで対策することが望ましいですね!今回の現場では全方向に防塵・防炎シートを使用しました。
・足場シートの違い
現場掲示物・近隣挨拶
近隣挨拶はどんな工事をする上で最も大切な事ですね!特に石綿(アスベスト)をめくるのに挨拶もなく、始められると不快な気分になりますよね。
そして掲示物ですが、なんでも良い訳ではなく、決められている掲示物をA3以上で誰からでも見える位置に取り付けないといけないです!
掲示物(例)
上記の掲示物はあくまで最低限の掲示物になり、石綿(アスベスト)含有の屋根材を撤去(めくり)後に現場で保管する際は、石綿保管場所を示す掲示物も必要になってきます。また事前調査の結果を掲示する必要があります。
石綿(アスベスト)の調査には2023年10月から石綿含有建材調査者の資格が必須となります。
また作業する者は石綿作業主任者が最低1名、その他の作業者は特別教育を受講していることが必要となり、これらを受講していない人は一切作業場に立ち入ることが禁じられています。
石綿(アスベスト)含有屋根材の撤去作業方法
石綿(アスベスト)含有屋根材を撤去する際は呼吸用保護具(マスク)の着用が必須になります。その他にも保護メガネや保護衣なども推奨されており、レベルに合わせた対応が必要になります。
そしてもうひとつ、石綿(アスベスト)含有屋根材を撤去する際に、飛散する可能性のある釘穴に霧吹きなどで湿潤化させながら作業を行っていきます。
実際の作業状況
石綿(アスベスト)含有屋根材の撤去作業後
石綿(アスベスト)含有屋根材の撤去後は石綿含有産業廃棄物を取り扱う事ができる業者に引き取ってもらうために、現場保管となりますが、今回の現場では当日に引き取ってもらうため、保管する事はありませんでしたが、現場保管となる際は、石綿保管場所を示すA3以上の掲示物が必要となります。
そして、石綿(アスベスト)含有屋根材を保管する際に飛散しないようにフレコンバッグに詰めたり、厚手のブルシートなどで養生をする事が必須になります。
養生例
石綿保管場所の掲示物例
まとめ・お問い合わせ
今回ご紹介したように石綿(アスベスト)を含む屋根材の撤去には様々な準備や作業工程が必要になってきます。
石綿(アスベスト)が含まれているのにも関わらず、上記した調査報告や作業中の諸対策を行わずに作業した場合、施工業者はもちろん、お客様も罰せられる可能性があります。
そういった事にならないように、お客様ご自身がしっかりと石綿(アスベスト)解体処理ができる業者を選定する必要があります。業者に「資格を保有しているか?」「解体処理はどうするのか?」「調査報告は行っているか?」など質問してみて、しっかりと回答してくれる業者を選びましょう。
調査の時には、新築当時の図面を見せて頂きます。また新築されてからリフォームをしたことがあるかなどの聞き取りも致します。その際はご協力の程、よろしくお願い致します。
ただ、図面がどこにあるかわからなかったり、リフォームの詳細がわからないお客様もたくさんおられます。大丈夫です!安心して下さい!!
修繕の寅さんでは資格の持った者が調査にお伺いしていますので、その時はこちらで目視調査し、石綿有無を判断し、事前調査結果報告書でご説明させて頂いております。その他にも石綿(アスベスト)含有の撤去作業工事の完了後はお客様にご報告の上、書類にサインを頂いたりと、ご協力頂いております。
現在屋根の葺き替えなどをお考えの方で、石綿(アスベスト)を含んでいる屋根材かもしれなくて、どうすれば良いかわからない方もぜひ一度ご相談ください。
こちらからお問い合わせできます!!!
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