社員と職人、そしてその家族を守りたい「伝統を守る老舗瓦屋4代目」の渡邊です。
しばらくブログを休業してまして申し訳ございません。若輩な私なりに色々と考えることがあってこんな始末でした…( ゚Д゚)
来週の4/22(金)は弊社の大イベント「創業100周年感謝パーティー」がやっとのことで開催されます。まずは御多忙の中、ご列席頂く皆様方に感謝申し上げます。
私は次期社長に立つ立場として、謝辞を述べるという役を仰せつかっております。1ヶ月ぐらい前から何を申し上げるか散々考え続けました。散々…。でも、まだ原稿の1行も書けてません。色々と調べました。「謝辞 ひな形 定型」とか。出てきた結果からは何も私の心に響きませんでした。そんな定型を謝辞で述べたくなかった。ちょうどそれぐらいからなぜかブログを書けなくなりました。
長くなりそうです。すみません。
弊社は創業地は静岡でして、創業者は私のひいおじいちゃんにあたります。大阪営業所が出来て、おじいちゃんである渡邊益美が大阪営業所担当としてやり始めました。色々とありながらも、真面目にコツコツと瓦寅工業㈱を切り盛りし大きくしました。全瓦連の理事長を17年も務め、今の礎を築き上げました。瓦業界でも有数の有名人でした。
現社長である渡邊純一はバブル崩壊後の建設業界が傾き出した時代に舵取りを始めました。当時、建設業では珍しい原価管理の徹底を図り、堅実経営をモットーに苦しい時代を見事に乗り切りました。
次の世代。次の100年。
すなわち、私。
そんな私にどんな能力があるのか?
どんな魅力があるのか?
継承できるか?
時代に呼応できるか?
業界から求められてるか?
社会から求められてるか?
瓦寅の代表として何ができるか?
私に関わる全てを幸せにできるか?
色々な想いが巡りました。
すると、ブログが書けなくなった。
長かったなぁ…
ほんと長かった。
無気力だった。
今は吹っ切れました!
何を悩んでいたかがやっとわかった気がします。
私は瓦業界に飛び込んでから今まで瓦寅は業界を引っ張らないといけないと考えていました。うちがコケるとメーカーに迷惑をかけるとか、うちがコケると他瓦業者に迷惑をかけるとか。だから、瓦寅のマイナスとなりえることは否定していた。プラスとなることは肯定していた。
マイナスとなること。瓦は重いから駄目だよ、とか。屋根業者は悪徳業者が多いよ、とか。
プラスになること。瓦は耐久年数が日本の建材の中でトップクラスなんだ、とか。断熱性が高くて日本の風土にはあってるんだ、とか。
そんな上辺のことだけを言ってたような気がする。
それって、他屋根材メーカーの人からしたらとんでもない迷惑なわけで、例えば板金屋根がいいことも多いし、スレート屋根がいいこともある。それぞれの建築主の価値観があって、設計の価値観があって、建築業者の価値観があって、専門業者の価値観があって。そんなことを考えると瓦屋だから瓦がいいんだって言ってるんだろうなって思ってしまった。その瞬間に情報発信がとまってしまった。
このまま、じっと息をひそめてしまうのがいいのか?
割り切って瓦屋だから瓦がいいんだって言い続ける方がいいのか?
やっと自分なりの答えが出ました(^^)/
あくまでも渡邊智仁個人の答えです。それは、経営者になる立場として、瓦屋だからとか、社会的立場だからとかの前に、雇用している人間だということ!これに尽きる!
要するに瓦屋根を守りたいとか、日本の景観をどうとかって活動をするのは、ウチが瓦屋だからであって、そうすることでウチの経営が潤沢にいくから。潤沢にいかないと困るんです。めっちゃ困るんです(>_<)
なぜなら私は34名の社員とその家族、140名の外注職人とその家族、そして私の家族を守らないといけない人間だから。
私はまだまだちっちゃい人間です。今後の屋根業界を!とか言える人間ではございません。ただ徹底したいことは、せめて私の廻りにいるヒト、私についてきてくれるヒト、私が直接知っているヒト、そしてその家族だけは幸せにしたいってことです。
渡邊智仁
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