こんにちは!修繕の寅さんの南 力也です。
今回は雨漏れしていた土葺きの和瓦屋根から軽くて柔らかい屋根材、リッジウェイ(シングル材)に葺き替えをした工事事例をご紹介!!さらに既存の棟ですが、去年、棟の積み替えをしていたのを聞いていたので、めくり工事の際に中身も拝見させて頂いたのですが、去年の施工にも関わらず、瓦屋根標準設計・施工ガイドラインを完全に無視した棟積み替え施工でした。お客様と話をしていく中で去年施工の棟積み替えの金額も聞き、こういった業者がまだいてるのかと、少しショックな気持ちになりました。それらも最後に少し紹介していきたいと思います。
軽くて柔らかい屋根材リッジウェイ(シングル材)の紹介
・屋根材メーカー:旭ファイバーグラス株式会社
・特徴:軽量の屋根材(瓦の1/4、化粧スレートの約1/2)で建物への負担も少なく、耐震性に優れており、ねじれ・膨れといった変形も防ぐ高い耐久性も兼ね揃えています。さらに飛び火認定も取得されているため、防火・準防火地域でも使用できる屋根材になっています。そして緩勾配から急勾配、多少の不陸のある屋根でも対応しているため、使い勝手が良く、美観も損なわないので、リフォームの葺き替えなどには最適と言える屋根材です。
・リッジウェイの関連記事はこちら
【シングル屋根材に熨斗瓦を!?雰囲気がガラっと変わった!!】
既存土葺きの和瓦めくり
既存和瓦をめくると葺き土が置かれているのですが、この葺き土を撤去するだけでも、建物にかかる負担が減ります。そして葺き土を撤去すると、とんとんと言われる防水の役目をしている薄い板が重ねって葺かれています。今回の葺き替えでは、とんとんをめくらず、上から下地を作っていきます。
・とんとん
とんとんとは「さわら」の木を薄く切って、屋根野地の上に重ねて葺いた板の事を言います。
これらを「土居葺き」「杮葺き」とも言いますが、葺く際の釘打ちの音が「トントン」と聞こえるため、とんとん、とんとん葺きと呼ばれるようになったのです。
下地不陸の調整・補強
下記の写真で左側は増築された瓦棒が屋根の上に乗っかってきていて、納まりが悪いので、野地を延ばすために、横桟も入れて高さを上げて調整しました。
野地合板貼り・ルーフィング
野地合板は通し貼りで貼っていき、増築部分の取り合いからは雨漏れのリスクが高いため、一段目は粘着ルーフィングを使用し、防水性能を高めています。
リッジウェイ葺き
・平部
屋根材本体は釘4本留めで施工していき、妻側の板金の取り合い部分にはシーリングを打っています。
・棟際
棟際には受桟を取り付けて、屋根材との取り合い部分と板金重ね部分にシーリングを打っています。
屋根工事完了
増築の瓦棒棟部分を板金でカバーすることになったので、急遽板金を加工し、綺麗に納めています。
【実録】間違いだらけの棟積み工法
はじめに簡単に説明しますと、瓦屋根の棟積み工法は瓦屋根標準設計・施工ガイドラインに記されているように、基本的な棟の積み替えの場合は受け金具と棟芯木を取り付けて、熨斗瓦を緊結して積んでいき、棟冠瓦はパッキン付きビスで留め付ける工法になります。熨斗瓦の段数、棟幅が狭い場合で、パッキン付きビスを使用しない棟積みでも、ステンレスパイプを仕込んだりとたくさんの決まり事があります。そして今回のお客様が施工業者から伝えられていたのは、既存棟を撤去し、棟際から2段目までの瓦をめくり、下地をやり替え、再度棟を積んでいく内容、見積もりだったそうです。本来ならば、受け金具も芯木も取り付けて、パッキン付きビスで留め付けができる内容、段数でした。
・瓦屋根標準設計・施工ガイドラインの関連記事はこちら
【瓦屋根標準設計・施工ガイドラインに従って棟の積み替えを行う】
・間違いな施工 その①
・間違いな施工 その②
・間違いな施工 その③
騙されたらダメ!!【まとめ】
今回のこのお家の屋根は簡単に上がれる事もあって、お客様自身で施工後、屋根に上がり間近で確認していたそうですが、新しい瓦を使っている事もあって、見た目も綺麗で、なんの疑いもなく、ただ高い費用だった印象との事でしたが、私からすると棟積みは汚い印象でその高い金額は普通ではないので、どんな施工をしているか気になり、施工写真があればとお願いしたところ、まさかの施工業者が報告書を送ってきておらず、送ると言われて約1年が経っているそうです。その後、修繕の寅さんで葺き替え工事が決まり、瓦をめくると上記の写真のような施工内容でした。初めに聞いていた話の見積もり内容と施工内容が全然異なっていますよね。何かとお客様も気にされていたので、一様報告はさせて頂きましたが、すごく悲しそうでした。
私たちの仕事はお客様を悲しませる仕事ではなく、「喜ばせる」仕事ですので、こういった施工業者は早くなくなってほしいですが、そう簡単にはなくならないので、お客様自身でも今回のような施工業者に騙されないようにしないといけないです。
業者に対して不安を感じた時はこのマークを参考に!!
良い業者、悪い業者の区別はなかなかできないですよね。そうした不安な時はこのマークを参考に調べて下さい!
【全日本瓦工事業連盟】といって、「瓦屋根標準設計・施工ガイドライン」の要求事項に適合する施工を行うために、講習会において良質な瓦屋根の提供に資する知識及び施工技術の研修課程を修了した工法管理責任者が在籍している工事店になります。
相談・お問い合わせはこちら!
今回の屋根の葺き替え工事でしたが、完了してからお客様には大変喜んで頂きました。しかしながら、去年の悪徳施工業者に頼んだ事の後悔もしていました。
このようなお客様を減らしていくためにも、屋根の事で何か気になる方は、ぜひお気軽にご相談下さい!!修繕の寅さんでは、お客様が納得して頂ける提案・施工を徹底していますので、安心してください!!
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